常識を疑ってかかれ。全てはデータの中に - 簡単明瞭!効果絶大?実践的見出し学講座(2)
[2004月05年06日]
(吉村 正春 / 週刊e-Report編集部)
●見出し学の意義
週刊「e-Report」では過去にも、「レスポンス・ライティング」として、文章上のテクニックによるクリック数の増減について、論を進めました。(2002年8月~12月)
それから、1年半。
蓄積されたデータにより、さらに実践的・体系的に「見出し」というものを捉えることができるようになりました。
見出し学を探求する意義は、以下の2点。
1.テクニックにより、見出しの注目度を高める。
2.テクニックにより、注目度を高められた見出しをふるいにかける。
「1」は言わずもがなですね。
テクニックを行使することにより、クリック数を上げることを目指します。そのための見出し学です。
そして、「2」。
見出しのクリック数が、テクニックによるものなのか、ユーザーの純粋な興味・好奇心によるものだったのかを判別するための指標として使います。高クリック数を後押しする要因が無かったにも関わらず、高クリックを記録した見出しをあぶり出すために、見出し学を活用するのです。
さて今回は、具体的なデータを見ながら、高クリックを記録する要因を探っていこうと思います。
●並び順によるクリック偏差値の有利・不利。
まず最初は、並び順によってクリック数は変化するのか?ということを探ってみます。
前回のコラムで、
「上に書いてある見出しほど、クリック数は高いのです。明らかな相関関係が存在するといっていいでしょう」と書きましたが、真実でしょうか?
e-Reportのニュースは、以下のように並んでいます。
――――――――――
▼Webサイト構築関連
●A
●B
●C
▼SEO・SEM関連
●D
●E
・
・
・
――――――――――
この並び順による、クリック数の違いはあるのでしょうか?
結論から言えば、
「100%関係ないとは言えないものの、その影響度はそれほど高くない」
つまり前回のコラムで書いたことは間違いだったわけです。クリックカウントを始めた2002年8月まで遡って分析したところ、そのことが判明しました。
もちろん、何百行にも及ぶニュース一覧ならば、下に行くほど不利を受けるでしょうが、e-Reportのように、30~40個程度のニュース一覧ではそれほど顕著な差は出てこないということでしょう。
もう少し踏み込んで、カテゴリー内の順番による有利不利はあるのかを調べてみました。上の例で言えば、「A」と「B」、あるいは、「C」と「D」に違いはあるのでしょうか?
この場合も、結論は同じ。
「100%関係ないとは言えないものの、その影響度はそれほど高くない」のです。
(このときの影響度は、並び順が及ぼす影響度より低い)
明らかなバイアス(偏り)があれば、クリック偏差値に補正を施すことも考えたのですが、その必要はないようです。注意を惹く見出しならば、下位に位置してもクリックされるし、面白みに欠ける見出しなら上位に位置してもクリックされない、ということなのです。
●「?」vs「!」vs「?!」
前回のコラムで、高クリック数を叩き出す見出しの共通点として「未完結」をあげました。見出しを読んだだけでは、内容が分からない見出しは、クリック数が高いのです。
実は「こうすれば売れる! レスポンス・ライティング(2)」(2002年9月5日号掲載)の中でも「未完結の見出しはクリック数は多い」ということに言及しています。 このときは、「人は未完成のものに注意を惹かれる」という「ツァイガルニック効果」を引き合いに出して、この現象を説明しています。
今回は、2年間に蓄積されたデータを元に、この現象に説得力を持たせてみます。
末尾に、「?」「!」「!?」が付いた見出しを機械的に全て抽出し、そのクリック偏差値を平均化してみた結果は以下通り。
||?|!|!?|
|2003年前期|61.56|60.7|55.36|
|2003年後期|57.65|60.31|54.59|
|2004年前期|55.24|54.55|データ不足|
「?」「!」「!?」、3つとも、標準より5~10ほど高いクリック偏差値になっていることが分かります。クリック偏差値をクリック数の格差に換算してみると、
クリック偏差値50と55では、クリック数で、1.25倍差、
クリック偏差値50と60では、クリック数で、2倍差に相当します。(※)
(※:あくまでも、e-Reportでの数値です)
乱暴な仮定をすれば、普通の見出しに、「?」「!」を付けただけで、クリック数が1.25~2倍増加するということになります。
しかも嬉しいことに、「?」「!」は、SEOにも邪魔にならないという利点もあります。もちろん、「?」「!」をやみくもに付ければ良いということではありません。「?」「!」を付けるに相応しい見出しにすることが肝心です。逆説的に言えば、「?」「!」を付けることを前提に、見出しを考えることこそ必要といえるでしょう。
●「ウェブ」vs「Web」
表記によるクリック数の違いはあるのか? 「ウェブ」と「Web」、「グーグル」と「Google」、「マイクロソフト」と「Microsoft」、好みはさておき、どちらの方がクリック数を稼ぐことができるのでしょうか?
正解は、、
「同じ」です。
クリック偏差値の平均値は、どちらも約50でした。
文字の形に惹かれるのではなくて、その内容にこそ惹かれるので、当たり前といえば、当たり前の話なんですが、分析をする前は、Webの方がパッと見、目立つだろうから、クリック偏差値も「ウェブ」よりも高いだろう、と予測してました。思い込みは捨てて、データを信じてみましょう。

