大体13分で分かる個人情報保護法
[2005月04年07日]
●個人情報保護法とはなにか
4月1日から個人情報保護法が全面施工された。名前だけが一人歩きをしているようで、個人情報の漏洩に関する法律なのだろうか、と思っている人も多いかもしれない。
個人情報保護法は、個人情報(特定の個人を特定できる情報)を大体5,000件以上所持している事業者を対象にした法律である(※)。
(※:とはいえ5000人以下なら絶対に許されるとも言い切れないので、個人情報を扱う業者は、全て対象内にあると考えた方がいいだろう。)
個人情報保護法を一言で言うと、「個人情報を適切に扱いましょう、適切に扱わないと行政処分を科せられますよ」ということになる。そして「適切に」ということで規定されている事柄を挙げると、
・個人を特定できるような情報(個人情報)を取得するときには、その取得目的を明示し、適切な方法で取得する。利用目的が変わった場合もきちんと告知して同意を得なくてはならない。
・取得した個人情報は、(委託先も含め)適切な管理を行う。
・本人の同意なく、第三者に個人情報を提供してはいけない。
他にも、個人情報の削除依頼には速やかに対応すること、本人から個人情報の取り扱いについて問い合わせがあった場合速やかに対応しなければならない、などの責務が発生する。
これらに違反した企業には、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金などの処分を科せられる。もちろん従来どおり、情報流出に関してユーザーより訴訟を起こされれば、その分の賠償も科せられるので、二重で責任を問われることになるのだ。
●週刊e-Reportに当てはめて考えてみる。
週刊e-Reportの読者数は4万5千人。だからe-Reportを編集・発行しているドラゴンフィールド株式会社は、十分に個人情報保護法の対象となる。では、ドラゴンフィールドは週刊e-Report読者に対して、どのような義務を果たさなければいけないのだろうか?
全ての読者は、まずサイト上の入力フォームにメールアドレスを入力し、購読手続きをする。ドラゴンフィールドとしては、この際、入力フォームは週刊e-Reportの配信のためであることを明記しなくてはならない。
またそこで取得したメールアドレス宛に、取得段階では記載されていなかった他のメールマガジンや広告メールなどが送るのはNG。取得段階で「セミナーの案内の告知メールをおくることがあります」とあらかじめ記載していればOK。
もちろんそのメールアドレスを第三者に流すことは絶対にやってはいけない。もし配信業者を使って代わりに配信するのなら、配信業者に関してもドラゴンフィールドは監督責任が発生するのだ。
このように、ひとつひとつ挙げていくと、今までにもタブー視されてきたことや常識的にやってはいけないことばかりなので、実は個人情報保護法というのは大したことがないのではないかと思う人もいるかもしれない。
しかしそれが落とし穴になる(かもしれない)。
●手探りの個人情報保護法
法律というのは、ある事件を起きて、それに対する裁判所の判断が下り、その判例が積み重なることで徐々にその法律の線引きが固まっていく。
まだ施工されたばかりの個人情報保護法は、その判例が少なく、どこに線引きが引かれるのか定まっていない。
たとえば、まぐまぐ、Macky!、カプライトでは、週刊e-Reportの購読用入力フォームにメールアドレスを入れると、木曜日には週刊e-Report、月曜日にはInternetNOW!が送られてくる。もちろん、メールマガジンの紹介欄には、「月曜日:InternetNOW!、木曜日:週刊e-Report」と書いてあるので、メールアドレスを取得目的外に使っていることにはあたらない。
しかし、メールマガジンの選択ができないのは、取得目的が明確ではない、という裁判所の判断が下るかもしれない。その可能性は0ではない。
今まではOKだったことが、4月1日からはNGになるかもしれない、という危惧は絶えず気にとめてなくてはならない。つまり個人情報保護法とは、情報の流出だけに気をつけるのではなく、情報の取得・管理、個人情報が絡むこと全てに責任が発生する。
(参考リンク)
・岡村弁護士、「個人情報保護法により企業は二重の責任を負うことになる」
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/topic/2004/03/24/1755.html (Enterprise Watch)
・個人情報保護法
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%8B%E4%BA%BA%E6%83%85%E5%A0%B1%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%B3%95 (Wikipedia)
・ウェブマスター用個人情報保護法解説
http://www.kojinjoho.com/privacylaw/02.html (個人情報ドットコム)

