blogブームにおけるレピュテーション・コントロール
[2005月08年18日]
blog、SNSとWeb上で個人が発言する機会が増えてきた。同時に、一般ユーザーがWebで積極的に発言することに対し抵抗を感じなくなってきているように見える。呼応するようにWebマーケティングのトレンドとしても、ブロガー達のクチコミ効果を利用しようとする動きが出てきている。
一消費者としては、ブロガーというフィルターを通すことにより、信憑性が高い情報が流通することは歓迎したい。しかし企業サイドの視点に立った場合、クチコミが逆風となる可能性を否定できない以上、より一層レピュテーション・マネジメント(評判管理)に過敏にならざるを得ない。ユーザーのお眼鏡にかなうように行動しなくてはいけない時代なのである。
企業の追い風とも逆風とも成り得るレピュテーションをうまくマネージメントするために必要な条件はを行う上で気をつけたい点や、意外な落とし穴があることをこの場で確認したい。
レピュテーション・コントロール
レピュテーション・マネジメントは、企業の評判をどのように管理していくか、ということである。ブランド管理と微妙に異なるのは、レピュテーションが感情的なものを多分に含んでいることにあるだろう。企業をひとりの人間としてみなした場合、能力や才能、スキルなどがブランドに相当し、性格・人柄などがレピュテーションに当たるだろう。
ブランドは、商品やサービスの満足度が高ければ維持されていくものであるし、レピュテーションは問い合わせ窓口の対応の良し悪しや不祥事が起きたときの経営陣の対応などが関係してくる。
ブランドイメージが高いのにレピュテーションが良くない場合は、人間で言えば、能力は高いのに性格不美人、ということになるだろう。逆に、ブランドイメージが悪くレピュテーションが良い場合は、能力は足りないけど性格美人か。もちろん、ブランドイメージとレピュテーションが相関してくるときも当然あるので、まるっきり別物と言うことではない。
不祥事や事件が起きたときに、いかに真実を包み隠さず、真摯に伝えることができるか、ということもレピュテーション・マネジメントの範疇だが、それでは対応が後手になってしまう可能性も否定できない。火消し作業に終始してしまっては、企業として何ら得るものはない。
これからは、レピュテーションから火種の予兆を素早く嗅ぎとって、早急な対応によって被害を最小限に抑えたり、あるいはブレイクの気配を読み取り、ビジネスチャンスを掴んだり、と積極的にレピュテーション自体をWebマーケティングに組み込んでいかなくてはならない。
クチコミが広がるのを座して待つのではなく、早い段階からコントロールすることで企業の追い風に育て上げる、いわばレピュテーション・コントロールが今後重要度を増していくに違いない。
レピュテーション・コントロールの死角
レピュテーション・コントロールは、blogの動向を見守るだけではない。内部情報のリークにも注意を払う必要がある。先日起きた事件を元に考えてみたい。
その事件とは、飲食系チェーン店の従業員が、客達を罵倒する内容を自身のblogに掲載したのである。瞬く間に、その客達の知るところとなり、大騒ぎに発展した。親会社にも問い合わせが殺到し、結果、その企業サイトにお詫び文が掲載されることとなったのである。
まだ進行中の事件だけに今後どのような結末になるのかは不明だが、企業のレピュテーションが傷ついたことは間違いない。
簡単に情報が発信できる時代だからこそ、そのWebで発言する怖さを知らないユーザーが増えてきたことは周知の通り。だからこそ不用意な意見を書いてしまうのである。
前出の例で言えば、フランチャイズのアルバイトという責任負担が軽い分だけ、饒舌になったのだろうが、他のユーザーはそのように見てはくれない。客を罵倒する店員がいるということはその会社自体がそのような社風なんだ、と判断するだろう。
そういった事態に陥らないように、社員はもちろん、フランチャイズのアルバイトに至るまで、情報を発信することによる責任の重さを自覚させる必要があるだろう。
mixiのような一見、閉ざされた空間なら大丈夫だと考えているユーザーも多いので、webにアップされたものはそれがmixi内であっても、基本的に誰かの目に触れる可能性があることを企業は繰り返し伝えなくてはならない。内向きのレピュテーション・コントロールはまずはそこから始めるといいだろう。

