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見出しは著作物なのか? - EC事件簿(4) はてなブックマーク ライブドアクリップ


[2005月10年06日]

(吉村 正春 / 週刊e-Report編集部

・見出しの無断配信は違法行為、知財高裁が読売新聞の訴えを一部認める判決
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/10/06/9397.html (INTERNET Watch)

一言で言えば、微妙というか、玉虫色というか、そのわりに多くのサイトに結構影響与えそうな判決が出ましたね。


■読売新聞vsデジタルアライアンス

事件のあらましから説明してみましょう。

「ライントピックス」というティッカー型ツール(Webページ上に電光掲示板のように次々にニュースが流れてくるツール)でニュースの見出し配信サービスを行っていたデジタルアライアンスが、YOMIURI ONLINEのニュース見出しを無断で使っていたとして、読売新聞社から提訴された。これが2002年の話。

流れてくるニュース見出しに混じって、広告見出しが存在するというシステムなので、ニュース見出しを勝手に使ってビジネスをやっていると異を唱えたのですな。たとえば、広告だけしか表示されないティッカーだったら注目を集められない。ニュース見出しを流すことでティッカーにバリューが生まれるという理屈です。他人のふんどしで相撲をとっている、と読売新聞側は判断したわけですね。

一方、デジタルアライアンス側は、見出し自体に創作性は無く、したがって著作権も無い。自由に使っても問題ない、というスタンス。

判決は、ニュースの見出しに創作性を有するとは言えず、著作権侵害にはあたらないものの、ニュース見出しにはそれなりのバリューがあるといえるので、それを無断使用したデジタルアライアンスに損害賠償を命じました。

読売新聞東京本社広報部では、「記事見出しの無断使用は違法となることを認めた初の司法判断で、インターネット上のニュース配信の指針となる意義の大きい判決と考えます」とコメントしているのだが、なるほど影響を与えそうな判決です。

ちなみに、第一審では、以下のような判決になっています。

・見出しは著作物にはあたらない~東京地裁、読売新聞の訴えを棄却
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/03/25/2558.html(INTERNET Watch)


これを踏まえて、今回の高裁の判決を見ると、ニュースの見出しには著作権は無い。さりとて、いくばくかのバリューはあるのだから、無断使用はダメ、ということになります。


■今回の判決の影響は?

さて、今回の判決が与える影響について考えてみましょう。

まず影響を受けるのが子ニュースサイト、孫ニュースサイト。子・孫ニュースサイトのほとんどが、一次ニュースの見出しをそのまま引用し、リンクを貼っています。

それだけだと問題ありません。著作権は無いのですから。ただし、子・孫ニュースサイトのほとんどが何らかの広告を貼っています。アフィリエイトやGoogle AdSenseも立派な広告といえるでしょう。ニュース見出しを客寄せパンダにして収益をあげている、という構図は、デジタルアライアンスのニュースティッカーと重なってきます。

サイトに限りません。たとえば、このe-Reportにも冒頭でニュースを紹介しています。見出しはもちろんそのニュースサイトから引用してきますが、これもニュース見出しを使って商売をしていると言えるかもしれません。

それでは、ニュースサイトの見出しを使うことは、全面的にダメなのか、といえば、あながちそうとも言えないのが悩ましいところです。

今回の判決では、「デジタルアライアンスの行為は社会的に許容される限度を越えたものであり、読売新聞の法的保護に値する利益を侵害したものである」とあります。

「社会的に許容される限度」とはどれくらいまでを指すのか?今回の訴えでは、1万3,000のティッカーでニュース見出しが使われた、ということで読売新聞は損害額を算出していますが、1万3000程度のPVは大手ニュースサイトでは普通に叩き出す数値だったりします。ティッカーよりも影響度は大きいとすら言えます。

しかしながら、読売新聞がこれらのニュースサイトを提訴する可能性は低いだろうとみています。ただし、YOMIURI ONLINEのニュース見出しを使うニュースサイトは減り結果的に、YOMIURI ONLINEへのトラフィックは減るでしょう。同様の記事なら他の新聞社サイトからも出ますから、YOMIURI ONLINEに固執する必要は無い。

果たしてこの訴えが、的を射たものであったかどうか、Web文化に即していなかったのではないか、でももぅ引き下がることもできないんだろう、と邪推しているだが、いかがだろうか。

個人的には、ニュース見出しの引用(blogの記事タイトルも含む)はすでにWeb文化として根付いていると思うので、見出しの引用に関しては寛容に見ていただきたいと思う。


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