インタビュー方法論 - ブロガーのためのライティング講座(1)
[2005月10年20日]
(吉村正春 / 週刊e-Report編集部)
ブロガーの数は2005年9月末時点で、473万だったことが総務省から発表されました。重複して解説されていたり、更新されていないブログもありますので、実際の数字はこれよりも少ないとは思うのですが、それでもすごい数字です。ネットユーザーの10分の1はブログを開設している、といってもいいくらいの数字ですから。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/051019_2.html
(総務省発表資料)
取材系ネタが読みたい
ブログを眺めていると、何かに対しての批評・分析系ブログと日記系ブログが大半を占めています。一方、私個人が読みたいんだけどあまり存在しないのが、取材系ブログです。
批評・分析、日記は、外に出なくても書けるのに比べて、取材系では、実際にそこに出かけていかなくてはいけません。人に取材をする場合などは原稿の確認もお願いしなくてはなりませんし、かなり手間がかかります。数が少ないのも仕方がないのですが、だからこそ、独自性が出せるのです。
私はありがたいことにe-Report・WEB FLASHの制作を通して、インタビューする機会も、逆にインタビューされる機会にも恵まれました。その経験を元に、取材、特にインタビューに関してのノウハウを披露したいと思います。とはいえ、まぁ経験則に基づくものなので、取材術というほどではありませんが、参考にしていただけたら幸いです。
インタビューの準備
インタビューしようとした場合、まずインタビューイ(取材対象となる人)にコンタクトをとります。企画意図と企画内容、希望日時と大体の所要時間を伝えます。ブログをやっているならば、もちろんブログのURLを伝え、こういうブログを運営しています、ということを知らせます。このときに、読者層やPVなどブログのスペックも同時に伝えます。
それで同意を得られれば、取材に入るのですが、その前にやっておかなくてはいけないことがいくつかあります。
まずインタビューイに対して、あらかじめ質問内容を伝えます。これこれこういうことを伺います、と事前に告知しておくのです。これにより、インタビューイに心の準備をしてもらいます。もしかしたらそれに関連した資料なども用意してくれるかもしれません。心の準備ができていないところに唐突に質問したからといって、深い回答は得られません。
取材は生き物ですからあらかじめ想定していた取材内容から脱線する場合もあります。これはこれでOKです。こーいうときはインタビューイから生きた言葉がバンバン出ているはずですからきっと面白い取材記事になるでしょう。
一方、インタビュアーとして、事前にやっておかなくてはいけないことは、インタビューイのリサーチです。著者があれば、もちろん全て目を通しておきます。インタビューイに関連するWebサイトも全てチェックしておきます。
これはインタビューイのキャラクターを深く理解しておくと共に、既知の情報と重複しない情報を引き出すためです。先入観無しにインタビューをしたい!という人もいるでしょうが、せっかくインタビューしたのに、今までに語っている内容とカブってしまえば、何の意味もありません。
「(出典を出して)この時点では、××のような意見をお持ちでしたが、現時点でも同じ考えですか?」という質問も、あらかじめリサーチしていればできる質問です。ここで、「今はちょっと考えが変わって、、、」みたいな話が引き出せれば、以前のインタビューと差別化が図れて、もう文句無しです。
インタビューの最中で話が途切れることがあったとしても、事前のリサーチによってインタビューイのことを熟知していれば、すぐに他のネタをふることができます。というわけで、事前のリサーチは必ずやっておきましょう。取材のときに話すネタが無くなってあたふたしなくて済みます。
インタビューの7つ道具
私がインタビューの際に持っていくモノは、
・ボイスレコーダー
・筆記用具
・資料
・カメラ(※事前に写真をとってもいいかどうかは確認しておく)
・インタビューイの著書(あれば)
です。7つもありませんでした。
その中でもこれが無いと絶対に困る、というのは、ボイスレコーダーです。全ての記録が残るという利点はやはり大きいです。どういうことを喋ったかということは大体覚えていますが、細かいニュアンスまでは記憶が曖昧なときがあります。こういうときにはその箇所と前後を聞き込みます。
メモは、一応取りますが、ほとんど単語の羅列です。話に出た印象的な単語をぽんぽんと書き連ねていきます。必要があればそれらを矢印で結んだりする程度で、書いたことをそのままメモとして残していきません。メモに集中してしまうと、会話が止まってしまいますし、そもそもボイスレコーダーがあれば、そんな詳細にメモを取る必要はないはずです。ただし、インタビューイが言ったことで、理解できなかったり、疑問に思ったことはちゃんと書きとめておきます。それはタイミングを見て、質問として投げかけます。
またメモの単語の羅列は、記憶を呼び起こす呼び水になります。あとで読み返してこーいう流れだったなぁ、と一目瞭然なのです。ボイスレコーダーがあるから、それを聞けばいいじゃん、思われた方もいるでしょうが、一時間録音した音声をまた一時間聞くのは馬鹿げた話です。
瑣末なことですが、電池の残量は事前に確認しましょう。取材の途中でボイスレコーダーが止まってしまって、青くなった経験があります。あのときはほんと焦った。
インタビューその後
インタビューが終われば、それを記事にまとめます。対話形式でまとめるのか、インタビューイが語った形にするのか、インタビュアの記事の中にインタビューイのコメントが挿入される形式にするのか、それはケースバイケースです。
対話形式だとライブ感は伝わるものの、話し言葉が多くなり、内容が希薄になりがちとか、インタビューイが語った形だとかなり多くのことを語ってもらわないと文量的に足りなくなったり、などなど利点・注意点があります。
そして記事にしたら、インタビューイに確認をしてもらいます。OKが出れば、それを公開します。もちろん公開したことを伝えることを忘れずに。

