あっという間に売り切れてしまった〜事例を読み解く(1) − こうすれば売れる!レスポンス・ライティング(4)
[2002月10年24日]
(木村 祥一郎 / 週刊e-Report編集部)
●あっという間に売り切れてしまった
これまで3回にわたって「レスポンス・ライティング」の理論的な要素について考えてきた。そこで、そろそろ「レスポンスライティング」の実例を見てみよう。
eメール・マーケティングで実際に高いレスポンスを生み出した事例を「レスポンス・ライティング」の観点から採り上げてみたい。今回採り上げるのは、ワイングロッサリーが9月19日に発行した「ワイングロッサリー通信<号外>」。
http://www.winegrocery.com/mm/mm_back_g919.htm (ワイングロッサリー9月19日号外号)
ワイングロッサリーは京都の老舗ワインショップ。98年、EC事業に取り組み始め、99年よりドラゴンフィールドがマーケティング面のサポートを行っている。
今回採り上げたこの号外メールでは、誌面で紹介したほぼすべての商品を売りつくしてしまった。さらに「京都」で催されるワイン会の招待券までも完売してしまったのには正直驚かされた。メールマガジンの読者の中から、特に京都周辺に在住の方だけに絞り込んで送ったわけではないのに、発行後あまり時間を置かずに注文が集中。あっという間に売り切れてしまったのである。
さて、この号外メールのレスポンスの高さの要因は何か? これを大きく分けて5つのポイントから考えてみたい。もちろん、この5つがすべてというわけではない。とはいえ、まずはこの5つのポイントから、Webサイトやeメールのライティングに役立つ要素まで引き出してみよう。
●ポイント1:注目を引き、興味を呼び起こす件名(Subject)と導入
「ワイングロッサリー通信 <号外> 読み逃さないでね!」
今回の発行は、通常の「ワイングロッサリー通信」の「号外」という扱いである。
件名の「読み逃さないでね!」というメッセージは、レギュラーの「ワイングロッサリー通信」で継続的なコミュニケーションを行っているからこそ「効く」タイトルといえる。当然、スパムのようなメールでは効き目はないだろう。
件名に関する実験は「週刊e-Report」でも行っている。件名ひとつで本文内のクリック数が何倍にも変わるという実験結果も得ることができた。
件名では、まずユーザーの注目を引き、本文の開封へと導く。そうなると、次に欠かせないのが、本文内に引き込むという要素だ。では、この号外メールを開き、本文に目を移していくと・・・
連日の通信、失礼いたします! しかし、実店舗と取り合い状態のワインがありまして、明日まで待っていたらなくなっちゃうかも?! と心配になって本日号外でございます\(^o^)/
メールマガジンの読者に気を遣いつつも、「明日まで待っていたらなくなっちゃうかも?!」と、さりげなく「すごい商品」の紹介であることをほのめかしている。日頃のコミュニケーションで信頼を獲得している読者なら「なんだろう?」と自然に内容に目を向けてしまうだろう。
●ポイント2:なぜ他ではなく、あなたから買う必要があるのか?
そもそも、なぜ消費者はあなたの店で「それ」を買う必要があるのか? なぜ他の店では駄目なのか? 実は、この視点こそがとても大事なのだ。
われわれはついつい商品を「売る」という視点から考えてしまいがち。しかし、本来は商品を「買っていただく」という視点から考えなければならないのだ。
「買う側の視点」の一つが、なぜ他のお店ではなく、あなたのお店から商品を買わなければならないのか? その理由を考えるということである。これはある意味「競争優位性」というものを考える、ということになる。
ユーザーは、なぜ他の店ではなく、あなたから買う必要があるのか?
この単純な質問にどのように答えるべきか? そして、この理由に、より説得力を持たせるためには、どのような情報やコンテンツが必要なのだろうか? そこを考えてみよう。
例えば、「他の会社に比べて実績が全然違う」ということをアピールする方法もある。「他で買うよりも安い、早い」ということも競争優位だ。「対応のキメ細かさでは絶対に負けない」というのも良いだろう。では、それを裏付けるためにはどんな情報を開示していくべきなのだろうか? どんなコンテンツが必要なってくるのだろうか?
今回のメールでは、この理由は極めて明快。そう、「アルド・エ・リカルド・セゲソ」という商品を、ワイングロッサリーが「買い占めた」という点。単純明快だが、これ以上に説得力のある理由もないだろう。「他の店では買えない」。これはワイングロッサリーで買うしかない商品なのだ。(「買い占めた」という表現が、茶目っ気として可能なのは、言うまでもなく継続的なコミュニケーションのおかげである。)
全国在庫はあと100本! ワイングロッサリーが買い占めました。
「全国在庫」が「あと」「100本」であり、しかも、それは「ワイングロッサリー」が「買い占めた」=「他では買えない」。すごい説得力ではないだろうか。
では、次回も引き続き残る3つのポイントについて考えてみたい。

