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Webマーケティングレポート


インタラクティブ・デザイン入門
次世代IRサイトへの道(1) はてなブックマーク ライブドアクリップ


[2004月08年12日]

(野口 竜司 / イー・エージェンシー http://www.e-Agency.co.jp


■IRを取り巻く社会変化。

金融機関との株式持ち合い時代が終焉し、より注目されてきたIR(※)。個人投資家比率が急増し、株式取引の7割がネット経由で行われている今、IR活動におけるWebメディアの影響力は非常に強いものになっている。
(※:Investor Relations:企業による投資家向け広報活動)

金融庁が2004年3月期の有価証券報告書から経営上のリスク情報開示を義務付けたり、外国人投資家率に動きがあったりと(キヤノンでは外国人投資家が約51%を占める)IR担当者が頭を抱えるほど、大きな変化を求められる時代になってきたのではないだろうか。

今回はそのような現状を踏まえ、「IRサイト戦略をどのように立案し、どのように展開していくべきか」について2回に渡って考えてみる。


■2004年度IRサイトトレンド

現在、上場企業の99%がWebサイトを開設し、そのうち87%がIRサイト設置している(日本IR協議会調べ)。著者はIRサイト構築プロジェクトに携わることが多いため、これまで多くのIRサイトを分析・研究してきたが、ここ半年くらいの間でおもしろい傾向が出てきているので、まずはそのトレンドを紹介したい。

・2004年IR活動の実態調査概要(PDFファイル)  https://www.jira.or.jp/jira/jsp/html/jigyou/pdf/jittai_2004.pdf


●個人投資家対応の加速。

IRサイトトレンドのひとつめは、個人投資家対応に向けた著しい加速である。その背景には株主の個人投資家比率が増加し、個人投資家に向けたコミュニケーション戦略が重要性を帯びてきたことがあげられるだろう。各社対応レベルは異なるものの、徐々にサイト全体の情報構造にも影響を及ぼすほどになってきている。ここでは対応レベルを2タイプに分けてみた。

 (1)メニュー設置で積極誘導。

 Webサイトのナビゲーションに「個人投資家」メニューを盛り込み、積極的に個人投資家誘導を行っているタイプ。既存コンテンツの再利用パターンが多いものの、個人投資家が求める情報を絞り込むことで、ユーザーのストレスを減らし、理解を促すように努めている。

 松下電器産業:個人投資家の皆様へ  http://ir-site.panasonic.com/stockholder/

三菱商事:個人投資家・個人株主の皆様  http://www.mitsubishicorp.com/jp/ir/ind_investors/

ニッスイ:個人投資家のみなさまへ  http://www.nissui.co.jp/ir/2004/for_investors/investors_top.html

東京ガス:個人投資家の皆様へ  http://www.tokyo-gas.co.jp/IR/indiv/index_j.html


 (2)独立コンテンツ展開で深いコミュニケーション。

 個人投資家のためだけに情報構成やライティングが行われ、投資家サイトとは完全に切り離された状態で存在するタイプ。既存サイトの使いまわしではなく、書き下ろしコンテンツであるため、内容理解度・好感度ともに高い水準が期待できる。

KDDI:個人投資家のみなさまへ  http://www.kddi.com/corporate/ir/individual/index.html

アサヒビール:アサヒサポーターひろば  http://www.asahibeer.co.jp/ir/supporter/


「(1)メニュー設置」もIRとして充分に効果は見込めるが、同じ目線に立ち、対話をしようとする姿勢が見える「(2)独立コンテンツ展開」の方が、より個人投資家の気持ちを惹きつける。


●社長Blogラッシュ。

IRサイトトレンドのふたつめとしてあげられるのが、経営者自ら記すBlogである。IRサイトにおいて「社長メッセージ」は昔ながらの定番コンテンツであるが、一年もしくは半年に一度の更新だけでは"新鮮味に欠ける"というのが正直なところだった。

MovableTypeの登場を期にBlog文化が一気に広まり、IR活動にも有効活用しようという動きが出てきている。

マネックス:松本社長  http://www.monex.co.jp/monex_blog/

GMO:熊谷社長  http://www.kumagai.com/

ライブドア:堀江社長(社員Blogもあり)  http://blog.livedoor.jp/takapon_jp/

代表取締役の思考パターン・先見性などは、重要な投資判断基準のひとつである。各Blogを数ページ覗いてみるだけで、旧態依然としたお堅い「社長メッセージ」では伝わってこないパーソナリティや詳細状況を得ることができる。リーダーシップを取っている社長が個性的な人物であれば、日々の行動記録や考察を企業に対する期待値へと変換させることが可能なのである。


●携帯用IRサイトの登場。

IRサイトトレンドのみっつめ。先進性を重視する企業では、携帯電話用のIRサイト立ち上げも進んでいる。株価チェックなどを主に携帯で行うユーザーにとっては、Webサイトよりも重宝する情報元になっていくだろう。

NTTドコモ:携帯用IR情報
http://www.nttdocomo.co.jp/imode/ir/

ソニー:携帯電話向け投資家情報サイト
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/info/mobile/

投資家や株主の生活シーンを想定し、よりオンタイムで、より手軽に情報提供できるかどうかも投資判断の重要なファクターとなりそうだ。

今後は携帯電話に限らず、Tナビ等のデジタルテレビ対応も進み、IR活動におけるチャネルの多様化が進んでいくことが予測される。


■次回予告

個人投資家の確保は、もはや企業に課せられた命題といえるだろう。上記みっつのIRトレンドは全て個人投資家に目を向けた成果ともいえる。もはや、IRサイトの完成度・充実度が個人投資家獲得の成否を握っている時代なのである。

今回はIRサイトに関わる社会状況やトレンドに留まったが、次回はより具体的なIRサイト戦略・戦術などを論じていきたいと思う。


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