秋のキャンペーン戦線、異状あり!? - プロモーションズ佐藤のキャンペーン企画の鬼(5)
[2004月11年04日]
(取材協力:佐藤 文彦/株式会社プロモーションズ http://cs.promotions.co.jp/ )
( 取 材 :村松 成樹/週刊e-Report編集部)
9月は「健康家電のネットキャンペーンが好調で、しかも40代にも効いた」という事例をもとに、商品や年齢についてよく犯しがちな思い込み - つまり、「うちの商品はターゲットになる顧客の年齢層が違うからネットには向かない」という発想が、いかに早計な思い込みであるか、ということについて考えてみました。
さて、今回は、筆者にはちょっと異常気象気味とも思えるくらい地味な、今秋のキャンペーン模様を見てみましょう。取材協力はご存知“キャンペーン企画の鬼”、プロモーションズのデジタルマーケティングコンサルタント、佐藤さんです。
●今年の“秋キャン”、地味じゃないですか?
━<村松>もう11月になろうかという時期ですが、今年の秋はいかにもキャンペーンという感じの派手なキャンペーンがまだないような気がします。前々回にうかがったお話では、もう“秋キャン”も終盤を迎えていないといけない時期だと思うのですが?
<佐藤>そうですね。どうも今年の秋は、消費者の誰もが知っているような大掛かりなキャンペーンがなかったかもしれませんね。そう思うのは、毎年恒例になっていた某コーヒー飲料のキャンペーンが、この秋はいつもとちょっと違うからじゃないですか?(笑)
━そうですよね。例年ならネットキャンペーンに限らずTVCMなどでもド派手に展開しているはずの缶コーヒーのキャンペーンも、この秋は大人しい感じがします。どうしてなんでしょうか?
・サントリー「BOSS」
http://www.suntory.co.jp/softdrink/boss/opening.html
・キリンビバレッジ「Fire」
http://www.beverage.co.jp/fire/top.html
・日本コカコーラ「GEORGIA」
http://www.georgia.jp/
・アサヒ飲料「WONDA」
http://www.asahiinryo.co.jp/wonda-land/
ひとつは、前回ちょっと触れたように、クローズドを派手にやったから、今度はオープンで、というのがあるでしょうね。趣向を変えてちょっと地味めなのは、ド派手なのには消費者もちょっと飽きているというデータがあったのかもしれませんよ。じっくり攻めるのもひとつの手法ですからね。
●今年の“秋キャン”は見直しの時期?
━このところのネットキャンペーンの反省材料もあるのでしょうか? たとえば、ターゲットの見極めが素人目にも「やりすぎ?」なキャンペーンもあったように思いますが?
それはどうでしょうか?(笑)
まぁ、中にはたしかに、狙いどおりの成果を残せなかったキャンペーンももちろんあるでしょうね。商売柄、そういうウワサも耳にしますから。
とはいえ、別の要素も考えられるわけです。というのは、今年の夏場はご存知のとおりの猛暑。そのおかげで飲料全体の売上は前年比110~120%アップというデータも出ています。ひとしきり続けてきた大型キャンペーンの成果を検証して戦略を練り直す余裕があるということかもしれませんね。
━たしかに昨年の夏は記録的な冷夏。その影響で飲料は大幅売り上げ減だったらしいですね。おまけに暖冬だったせいか、競合が多いせいか、ホット飲料の主役である缶コーヒーも頭打ちだったとか。そういうわけで各社キャンペーンに躍起になっていたという背景もあるでしょうね。
もちろんそういう要素もあるでしょう。いずれにせよ、飲料業界では単純なテストとヒートアップの時期は過ぎ、成果をもとに企画を練り込んでいく方向に進むということでしょう。“冬キャン”“春キャン”に向けて虎視眈々と準備が進められているということです。例年、猛暑の年は冬の寒さも厳しいですから、今年の“冬キャン”の結果がどう出るか? これは楽しみですね。
■今月の“鬼”の眼ギラリ☆ ~ 10月の気になるモノ・コト
【 広告・SPとインターネット 】
既存4媒体(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)のプラスアルファの存在として、あるいは、5つ目の媒体として、確実に評価されるようになったインターネット。
「とはいえ、既存4媒体とは決定的に違う点がありますよね」と佐藤さん。
読者のみなさんはもちろんおわかりですよね? そう、媒体単体で消費行動 -つまり、ネットだけで商品認知から購入(消費者のアクション)までが完結できるという点です。おなじみの消費行動の理論「AIDMAモデル」などの最後「A」が、その前の「M」までのフローに初めて直結した媒体と言ってよいでしょう。
現在お勤めのその社名のとおりセールスプロモーション業界に身を置く佐藤さんにとっても、これが最大の違いであり、最大の魅力に違いありません。
「セールスプロモーション、つまり『販促』というからには、つねに成果が求められるのがこの業界。トライアルにせよ何にせよ、ネット普及以前から様々なキャンペーン手法が考えられてきました」
一方、業種として「販促」に近く、よく対比されるのが「広告」。とはいえ、広告とは「広く知らしめる」もの、というのが基本。それを考えると、ネットは販促にこそふさわしい媒体なのかもしれません。実際、「ネット広告」と呼ばれるものも、実は多かれ少なかれ成果が求められているはずです。
「そういうわけで、ネットだけ通常の4媒体とは別枠と考えて、4媒体とは別の広告代理店やネット専門業者に依頼する企業も多い」と言います。筆者も、既存の広告とはまったく違った考え方をしている企業や、そうした考え方に基いて自社で完全にコントロールしている企業の例を見聞きしたことがあります。ネットの存在感はますます大きなものになってくるに違いありません。
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