iチャネル絶好調の理由は? アイデアマンズアイデア(8)
[2006月09年14日]
(寺嶋 芳延 / アイデアマンズ)
NTTドコモが2005年9月にスタートしたプッシュ型サービス「iチャネル」が絶好調です。
・ドコモ、情報配信サービス「iチャネル」の契約者3倍に
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20060818AT1D1705V17082006.html (NIKKEI NET)
・ドコモは、2005年9月に開始したプッシュ型サービス「iチャネル」の契約数が500万に達したと発表した。
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0608/28/news103.html (ITmedia)
iチャネルの特徴を簡単にまとめてみました。
(1)月額150円の有料サービス
契約時にドコモショップのお姉さんから加入するかどうか尋ねられますが、理由はなくてもつい加入してしまう絶妙な価格設定です。後日携帯から申込むことも可能です。
(2)待ち受け画面にテロップ表示
待ち受け画面上に電光掲示板のような「テロップ」が表示されます。
(3)iチャネルキーで一発起動
「ich」と書かれた専用ボタンを押すだけでニュースや天気予報、占いなどの情報が表示されたiチャネル一覧が表示されます。さらに読みたい項目を選択すると詳細コンテンツが表示されます。
(4)綺麗なデザインと整理されたコンテンツ
iチャネルはAdobeのFlashCastという技術をベースにした仕組みであり、Flashのエンジンを使ってリッチなインターフェースを提供します。デザインだけではなく、コンテンツ自体も必要最小限の情報が綺麗にまとまっている印象を受けます。
ヒットの理由のひとつは、ターゲットユーザーを的確に捉えた戦略だったことです。ニュースや天気予報などは誰にとっても関心の高い情報である筈なのに、多くの人がそれを有効に利用していない状況だったiモードでしたが、iモード初心者でもすぐに使えるようにというコンセプトでiチャネルサービスはスタートしました。
この考えは見事的中し、契約目標数を自ら上方修正する好結果となりました。
このニュースを聞いて、広告メディアとしてiチャネルに注目する企業が増加するでしょう。実はこういった企業に対してもiチャネルはオープンな仕様になっており、コンテンツを配信する仕組みが整っています。
・作ろうiモードコンテンツ:iチャネル
http://www.nttdocomo.co.jp/service/imode/make/content/ichannel/index.html (NTTドコモ)
現在、楽天市場やSonyMusicMobile、kabu.com証券など多くのサイトがiチャネルに対応しています。ユーザーは「おこのみチャネル」を追加することにより、これらのサイトをiチャネル一覧に加えることが出来ます。
iチャネルは前述の通り、FlashCastという新しい技術を利用して配信されています。Adobeサイトによると、FlashCastは通信事業者向けソリューションに含まれており、価格は記載されておりませんが、信頼できる情報筋によりますと導入に数千万円の費用が発生するとの事でした。
ASPサービスによってこの費用を大幅に削減する手もあります。
・Jストリーム社のiチャネル向けASPサービス
http://www.stream.co.jp/mobile/service/ichannel.html
しかし広告メディアとしてiチャネルを見た場合、iチャネル向けのコンテンツを配信することが即、大きな効果につながるとは考えにくいという懸念もあります。コンテンツプロバイダーによる情報がユーザーにリーチするまでにはハードルが2つあります。
・ハードル(1)
ユーザーがコンテンツプロバイダーのコンテンツを見る場合、設定画面から「おこのみチャネル」を設定しなければならない。
・ハードル(2)
設定する際にはiチャネルコンテンツを公開しているコンテンツプロバイダーの一覧が表示されるが、その中からユーザーに選ばれなければならない。
ユーザーがこれらのハードルを乗り越えてコンテンツに辿り着くことを祈りたいところですが、そもそもiチャネルのターゲットとしているユーザーはライトユーザー層であり、その望みは薄そうです。また、おこのみチャネルの内容はテロップには表示されません。
原点に立ち返り、iチャネル以外でそれに代わるようなサービスはないでしょうか?と、考えてみると携帯用RSSリーダーがiチャネルに非常によく似ています。というよりはむしろiチャネルがRSSリーダーに似たサービスとも言えるでしょう。
さて、最近の携帯RSSリーダー事情を簡単に整理してみましょう。
携帯用RSSリーダー事情
携帯用RSSリーダーには大きくWEB型とアプリ型、またフルブラウザの機能のひとつとしてRSSリーダー機能を提供する3つのタイプがあります。
(1)Web型RSSリーダー
非常に多くの事業者がWeb型RSSリーダーを提供し濫立しています。多くはブログサービスの提供者がWEB型RSSリーダーも提供し、さらにそれをモバイル対応にしたものです。下記にリストアップたものはその一部です。
Bloglines (IAC Search & Media)
http://www.bloglines.com/ (PC版)
http://www.bloglines.com/mobile (携帯版)
goo RSSリーダー (goo)
http://reader.goo.ne.jp/ (PC版)
http://reader.goo.ne.jp/i/ (携帯版)
ウェブリリーダー (BIGLOBE)
http://webryreader.biglobe.ne.jp/ (PC版)
(携帯版はユーザー毎に専用のURLとなります)
livedoor Reader
http://reader.livedoor.com/ (PC版)
http://reader.m.livedoor.com/ (携帯版)
はてな::RSS
http://r.hatena.ne.jp/ (PC版)
http://r.hatena.ne.jp/mobile (携帯版)
(2)アプリ型RSSリーダー
待ち受け画面にiチャネルのようなテロップ表示が欲しいとなると技術的にアプリ型にならざるを得ません。
ECR RSSリーダー
http://www.ecreal.co.jp/pc/service/rss/
EL CAMINO REAL社が提供する多機能で完成度の高いRSSリーダーです。本文を表示する際は専用のHTML Viewerにてシームレスに切替・表示が可能です。待ち受け画面表示も可能ですが、テロップ表示機能はありません。
RSS.eye
http://www.qusco.cc/rsseye/
シンプルで使いやすいRSSリーダーです。開発元はクエストコム社。待ち受け設定も可能で、テロップ表示機能も備えています。テロップは黒地に緑色の文字が流れ、見た目もまさにiチャネル。テロップ部やローディング中に表示されるウィンドウに広告枠が設けられているほか、このアプリをOEM販売する形の収益モデルでサービスを提供しています。
SWEET
http://www.sweet.vc/
カレンダータイプのインターフェースを持つ一風変わったRSSリーダー。スキンが秀逸でMac OSXのようなデフォルトスキンとユーザーが選択可能なスキンが4つ用意されています。企業用RSSリーダという事でユーザーが自由に他のRSSを登録することが制限されています。また、待ち受けには非対応です。トルカとの連動によるビジネスモデルが企画されています。
ubicast RSSReader
http://www.ubicast.com/
動画管理・配信システム「ubicast3」などを手がけているユビキャストが提供するRSSリーダー。bloglinesのデータを取り込めるほか、独自仕様のRSSにより動画を再生することもできます。
M@DIO
http://rgb-kids.com/pc2/mc01/mc01sc02.html
待ち受け画面に特化した作りとなっています。テロップはもちろん、カレンダーや時計なども待ち受け画面上に配置され、その位置をユーザーが自由に変えることも可能です。
(3)フルブラウザ型
フルブラウザとして有名なjigブラウザにはRSSリーダーの機能がついています。アプリ型のRSSリーダーでは基本的に「RSS一覧 -> タイトル一覧 -> サマリー表示 -> 本文詳細表示」と遷移しますが、本文詳細表示に自信があるjigブラウザではダイレクトに「RSS一覧 -> タイトル一覧 -> 本文詳細表示」と遷移します。あらかじめ用意された50件程のRSSから選択して読むタイプで、URLを入力して新規にRSSを登録することは出来ません。
携帯RSSリーダー量産計画!?「フィードアプリ」
アイデアマンズでも9月1日に「フィードアプリ」という製品をリリースしました。ここでご紹介した汎用的なサービスのいずれとも異なり、企業のケータイマーケティングツールとして特化したRSSソリューションです。
・フィードアプリ
http://www.feedappli.jp/
その機能を簡単にご紹介しましょう。
(1)自社のiチャネルが作れます
フィードアプリはiアプリ型RSSリーダーを作成・配布出来るASPサービスです。フィードアプリによって作成されたiアプリは待ち受け設定やテロップ表示も可能で、ライトユーザー層に強力にリーチします。RSSリーダーは管理画面からごく短時間で作成することが出来ます。
(2)カスタマイズ可能なスキン
見栄えを自由にカスタマイズして独自アプリを作成することができます。キャンペーンで短期間だけ配布する使い捨てアプリとして活用したり、定期的にスキンを更新してユーザーを飽きさせずに継続的なコンテンツ配信を続けるといった活用法もあります。
(3)クチコミ機能とログ管理機能
QRコードを用いたクチコミ機能を利用して、携帯から携帯へアプリを紹介・インストールすること出来ます。また、運用者向けに用意された管理画面ではこれらのクチコミログや記事の閲覧時間など詳細なログを知ることが出来ます。
特筆すべきは、とにかくシンプルかつインパクトのあるアプリを作れることです。フィードアプリは通常のRSSリーダーのようなRSS一覧画面がなく、「タイトル一覧 -> サマリー表示 -> 本文詳細表示」と遷移します。ブロガーが自分アプリを作成したり、企業が商品のキャンペーンアプリを作成するなど、目的を絞った形でユーザーにRSSリーダーを使ってもらうことが出来るのです。
週刊e-Report 06年8月10日号でご紹介した「ひまっち」も、実はフィードアプリを利用したサービスです。FOMA700シリーズ以降・900シリーズ以降をお持ちの方は是非お試しください。
・ひまっち
http://himatch.jp/
まとめ
iチャネルが成功した理由は、iモードをあまり利用しないユーザー層にターゲットを絞り、インターフェースを極力シンプルしたこと、そして日常性の高い情報を待ち受け画面にプッシュ配信したことでした。パソコン向けの情報配信と同じではなく、携帯端末には携帯端末にふさわしいスタイルで情報を提供する必要があります。
逆に言うと、iチャネルの事例はそういった手法によってユーザーの裾野を広げることが出来る事を立証しました。マーケティングツールとしての携帯電話の可能性を示唆するものと捕らえることも出来ます。
ボーダフォンはソフトバンクになり、Yahoo!モバイルにワンボタンで直行する仕様になります。auもGREEに大きな出資をし、ソーシャルネットワーク構築に具体的な動きを見せています。IP通信機器としての携帯電話がひらくマーケットは、むしろこれからが本番の大きなフロンティアと言えるでしょう。
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■アイデアマンズ 寺嶋 芳延
とまあ、9月1日にフィードアプリをリリースしまして開発はとりあえず
ひと段落なここ最近。今後の開発は実践をベースに怒涛の機能追加・修正、
製品の品質と機能を高まるところまで高めて行きたい。
特にマーケティング的な機能の強化がテーマです。
今日からはコトラー先生の本にバスタオルを巻いて枕にして寝ることにします。
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