Webは万能薬でも錬金術でもないが特効薬にはなれる ~ WEB FLASH vol.24発行にあたって
[2006月12年07日]
(吉村 正春 / WEB FLASH編集部)
12月5日にWEB FLASH vol.24が発売となりました。見所やこぼれ話、あるいは取材を通して見えてきたことなどを書き記していきます。
・WEB FLASH VOL.24 Dragon.jp
http://dragon.jp/publish/vol24.shtml
新企画 Answers!
今号の目玉はやはり新企画「Answers!」。Web系の雑誌には、サイト公開に至るまでの裏話をスタッフの制作秘話を交えて掲載する企画というのはよくあります。当編集部では、さらに一歩踏み込んで、実際にその案件で使われた提案書・仕様書・企画書などをダウンロード提供し、さらにプロジェクトに対する温度感を伝えたいと考えました。「Ansowers!」は、クライアントの悩みに対して、Web制作会社がどのような「答え」を提供したかを記事と資料の二段構えで伝える企画なのです。
正直なところ、この企画はかなり難航いたしました。提案書・企画書は制作会社のノウハウやナレッジのエッセンスが詰め込まれているといっても過言ではありません。大抵は社外秘扱いになっている代物なのです。それをリクルートエージェント様とネットイヤー様のご好意でほぼ当時のまま出していただきました。貴重です。
技術的な情報はネット経由で集められますが、ビジネスを進める上で必要な資料やメソッドなどの情報は入ってきません。それぞれの会社が試行錯誤をしながら自分なりのやり方を確立していっていると思います。しかし、それらの資料をWeb業界関係者で共有することで、Web業界全体の発展に繋がることを祈っています。
WEB FLASH取材後記
今回のインタビュー記事は、3本。「CGMマーケティング」「ユニクロ(UNIQLO MIX)」「宝島社(このミステリーがすごい!大賞)」
・CGMマーケティング
CGMマーケティングは、デジタルガレージ、電通、ADKなどの会社で共同設立して興した会社です。その名の通り、CGM(消費者発信型メディア)に特化したマーケティング活動をサポートしてくれます。
CGMといえば、企業ブログのやらせ問題や、炎上など、コントロールが難しい媒体というイメージが強いかと思います。たしかにその一面はありますが、さりとてCGMを無視してマーケティング活動を進めていくことも、今の時勢にはありえない話だと思います。そぐいません。
取材の際には、米国にはCGMに携わる企業が設立している団体(Word of MouthMarketing Association)があり、ガイドラインを提示しています。(誌面でも一部紹介しています)
・Word of Mouth Marketing Association
http://www.womma.org/
もちろんそのガイドラインに従ったから、成功するとか、炎上しないとか、などということはありませんが、CGMを使っていく上で、最低限のルールだと思います。個人的には、vol.23のシックスアパートの記事と一緒に読んでいただきたいです。
・UNIQLO
「UNIQLO MIX」「UNIQLO US」と従来のUNIQLOサイトとは毛色の違うサイトを次々とリリースして、Web戦略の軌道修正が感じられるユニクロ。また、これらサイトは好意を持って受け止められているようです。
どのような狙いを持っているのか、次の構想などのお話をお聞きしました。WebとテレビCMの違いなどを具体的事例を交えて語っていただきましたので、Webでできること、テレビや雑誌でできること、と線引きを明確に意識していることがよく伝わってきました。
・宝島社
宝島社では、「このミステリーがすごい!大賞)」サイトについて語っていただきました。担当者の方は、WebでCRM(Customer Relationship Management)を実現することを強調されていました。つまり、普通の読者をファンに育てていくためにはどうしたらいいか、ということに注力しているのです。10人の1冊を買ってもらうのではなく、1人の人に10冊買ってもらうためにWebで何ができるでしょうか?
取材を通して見えてきたこと。
最近取材を通して感じることは、 Webの間合い(射程距離)をしっかり意識している人が増えたということ。Webは万人に向けて広く情報発信できる媒体で、しかも画像、動画、音楽をふんだんに活用したインタラクティブな手法を行使することもできます。その可能性がややもすると、Web万能主義というべき、錯覚を起こさせます。たとえば、「○○で検索!」とアピールするテレビCMやポスターをよく見かけます
が、とりあえずWebの受け皿作って、顧客を誘導すればいいと思っているところも少なくありません。実際、肝心な受け皿であるべきWebサイトが「ザル」になってしまい、成果を出せていないところも多いのです。
Webは表現の可能性を秘めているけれども、万能ではないし、ましてや今まで全くターゲット層でなかった人を、ターゲットに変える力はありません。Webは鉄塊を金塊に換える錬金術ではないのです。ただし特効薬にはなれるかもしれません。ユーザーの声をきちんと聞き、その解決策を提示することで、潜在的なターゲットを優良顧客に育て上げることもできるでしょう。Webはあくまでもターゲット層として取りこぼしてきた人達に対して、新たなアプローチができる手段に過ぎないのです。
WEB FLASHについて、Webサイトの情報をわざわざ紙媒体で発信するのはなぜですか?とよく聞かれますが、閲覧性を求められば、Webではなく紙媒体の方が収まりが良かった、というだけのことです。WebにはWebの、紙には紙のメリットがあり、それを用途に応じて使い分けていった結果というだけです。Webと違い、パラパラとめくることができるWEB FLASH。御社に1冊、Web制作で行き詰ったときの特効薬にいかがでしょうか。
・WEB FLASHのお申し込みはこちら
http://dragon.jp/publish/apply.shtml
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