Re:一文を短くって言うけどさ
[2006月04年06日]
(吉村 正春 / 週刊e-Report編集部)
下のブログ記事が注目を集めている。
・一文を短くって言うけどさ 1
http://blog.excite.co.jp/blog-jutsu/1582135/ (ブログ文章術)
米光一成さんが書かれた記事である。
(余談ではあるが、僕は米光さんとは以前、ドラゴンフィールドのゲーム系メールマガジン"Gamer'sView"で一緒に仕事をしたことがある。実際にお会いしたことはないけども、機会があればぜひお会いしたいところではあるが、その話はこの場では特に関係は無い)
さて、その記事でひとつのお題が出されている。
「お皿ひとつひとつに、それぞれ、ハムや卵や、パセリや、キャベツ、ほうれんそう、お台所に残って在るもの一切合切、いろとりどりに、美しく配合させて、手際よく並べて出すのであって、手数は要らず、経済だし、ちっとも、おいしくはないけれども、でも食卓は、ずいぶん賑やかに華麗になって、何だか、たいへん贅沢な御馳走のように見えるのだ。」(160字)
さて、一風変わったこの文章は太宰治の小説の一節なのだが、この文章をセンテンスを分けて読みやすくしてみよう、と米光さんがお題を出したところ、様々な回答が寄せられた。
あーなるほど、そういう切り口もあったか!という秀逸な回答がゴロゴロしているので、参考にしていただきたい。
僕の文章術
文章術というほど体系だったものではないが、僕なりに文章を書く上でのルールがある。
・曖昧なニュアンスは極力省く。
「~と思う」とか「~だろう」などといった曖昧な印象を与える言葉は極力使わない。スパッ!と言い切ることができないような内容だったら書くべきではないし、自信が無さげな文章は表現がクドくなりがちである。また、書く以上は曖昧な表現で責任を回避したくはない。
・接続助詞の使い過ぎに注意
米光さんの記事の中でも「複文・重文をやめて単文にする」と文章を短くするためのコツが書かれている。しかし、ブツ切れの単文に抵抗がある人は、「今日は雨だが、夕食はカレーだった」みたいに、全然関係ない複数文を強引に繋ぎがちである。他人の文章を添削する機会が多いが、いちばん陥りやすいワナが、接続助詞の多用・誤用である。
要するに、読んでいる人の頭に、ハテナマークが浮かぶような文章はよろしくないということである。内容がよく分からない、何を言いたいか伝わってこない、そもそもなんかヘン、なんて文章はブロガーの想いを伝えてくれない。
もちろん、オレにはオレの書き方がある!それがオレの個性だ!って人もいますが、個性云々よりもまずは読んでもらう努力を払うべきで、そのために読みやすい文章を心掛けることは、個性を無くしてしまうことにはならない。
読みやすい文章を書くために
読みやすい文章にするために一文を40字前後にした方がいいよ、なんてことも言いますが、そんなに気にしなくてもOK。それよりも大切なのは、きちんとリズムが刻まれているかどうか、だ。
キレイなリズムが刻まれているかどうかは実際に(頭の中でもいいので)声を出して実際に読んでみることだ。このとき気をつけなくてはいけないのは、内容が分かっているからといって、すっ飛ばして読まないこと。丁寧に、しかもややゆっくりとしたスピードで読んでいく。あくまでも一読者として、フラットな気持ちで自分の文章を読んでいく。これにより、文章の流れがおかしいとか、表現がクドい・薄いなど分かってくる。
そもそもこの作業自体が推敲も兼ねているので、誤りをその都度正して、また最初から読み直す。この作業を気が済むまでやると、違和感の少ない文章になるという寸法である。
米光さんのお題に挑む
さて、冒頭のお題に挑んでみることにする。お題として出されている文章を読むと、
「台所にある食材全部をズラリと並べると贅沢な食卓に見える」(27字)
ということを言いたいんだなぁと分かる。この文章に最小限に手を加えてみたのが、下記である。
「ハムや卵、パセリ、キャベツ、ほうれんそう、台所にある一切合財の食材ひとつひとつを皿に盛っていく。いろとりどりに並べると、何だか贅沢なご馳走のように見えてくる」(78字)
短くまとまったが、文章に元気が無い。原文の畳みかける様な勢いが完全に殺されてしまった。
文章の構成から変えてみたのが下記である。
「豪華な食卓を演出したいときはどうするか? ハムや卵、パセリ、キャベツ、ほうれんそう、とにかく台所に残ってあるもの全部を皿に盛り付けていくのである。ズラズラと並べれば、手間はかからず、贅沢なご馳走に見えてくる。全然美味しくないけど」(113字)
ブログの文章を想定して構成を変えてみた。
通常、ブログの文章は上から下に読んでいく、ということは最初に結論やキモとなることを書いた方が、その後も読んでくれやすいといえる。
媒体によって文章構成も変えることが必要となってくるし、それくらい読み手の立場に立って、文章を書くことが何よりも肝要である。
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